製品紹介

液 晶 潤 滑 剤
(集合体潤滑で高耐久性を実現する)

これまでの潤滑剤はバラバラの潤滑油分子で潤滑していました。これでは金属が接近してくるとすぐどいてしまい表面を守れません。[1]

図1 これまでの潤滑油の潤滑時の分子間の状態

しかし、液晶潤滑は液晶潤滑剤分子の集合体を形成し集合体で金属表面を守ります。[1]

図2 液晶潤滑剤の潤滑の原理

この結果、以下のような機械の高耐久性が実現されます。

室温での耐久性試験

ベアリングの耐久性は液晶潤滑剤を用いると、通常のグリースを用いた時の20倍が実現されました。[1]

図3 負荷耐久試験結果

120℃でのベアリングの耐久性試験

ベアリングの耐久性は液晶潤滑剤を用いると、通常のグリースを用いた時の2~3倍、フッ素グリースを用いた時の4倍が実現されました。[1]

図4 高温下耐久試験結果

蒸発しない液晶潤滑剤

100℃の蒸発試験で、一般的なグリース(青線)は800時間程度で15%重量減少(蒸発)がおこるが液晶潤滑剤(赤線)では2000時間保存しても重量減少は0%です。

図5 液晶潤滑剤と炭化水素系の一般的なグリースの蒸発試験 (100℃)

集合体潤滑で超低発塵機能を持つ

評価方法はクリーンチャンバ内で30時間走行させ、パーティクルカウンタにて0.5µm以上の粒子数を計測する。
0.5µm以上の粒子の平均値は、市販の炭化水素系グリースを1とした場合、液晶潤滑剤は1/10未満であり優れた低発塵特性を示したといえる。 超清浄環境を求められる半導体製造装置、液晶およびELディスプレイ製造装置などに使用可能です。 [2]

図6 発塵粒子数比較
表1 発塵試験条件
荷重(N) 80
最高速度(m/min) 60
ストローク(mm) 500
測定粒子径(µm) 0.5以上
評価時間(hr) 30
評価方法 0〜30hrの測定粒子数の平均値

[1] : 月刊トライボロジー2019年2月号P16~18 日本トムソン(株)のデータ

[2] : 月刊機械設計2019年5月号P102 日本トムソン(株)のデータ

原本雄一郎:機能性液晶材料研究所所長、工学博士